セラミドとは
セラミドは細胞と細胞のすき間を埋める脂肪成分
セラミドは肌をしっとり潤わせ、弾力やきめの細かさにも深く関係します。美肌の鍵を握るのがセラミドです。皮膚が乾燥すると、カサカサになったり、表面の抵抗力が弱くなり、シワの原因になることもあります。従って保湿力のある肌を維持することは大切なことです。
皮膚は体内の水分の蒸発を防いだり、外界からの刺激や細菌などの侵入を防ぐために、4つのバリア機能層と成分を持っています。まず1つめは、肌の一番外側にある皮脂膜、次が角質層、3つめは表皮細胞のすき間にある脂の成分ーそれがセラミドです。4つめはNMFと呼ばれる天然保湿因子です。
セラミドとは細胞間脂質。これは肌の表皮の細胞と細胞のすき間を埋める脂肪成分で、肌のすき間に欠けている脂質を補い、肌の保湿力を高めます。それが肌を乾燥や細菌などの攻撃から守ります。
セラミドが含まれている食物もあり、食物やサプリメントから体内に取り入れたセラミドは腸からしっかり吸収され、皮膚のすみずみでしっとりさせます。
また、皮膚に塗ることによって吸収されたセラミドは成分が行き渡り、肌のみずみずしさを保ちます。この皮膚からの吸収の点でセラミドに大きな特徴があります。皮膚の表皮のバリア機能は皮膚を守る役目をしていますが、困ったことに化粧品に含まれる肌に必要な成分もこのバリア機能がそのほとんどをはじいてしまいます。例えば、コラーゲンは分子が大きすぎて角質層のすき間を通り抜けることができません。セラミドは他の成分と比較して抜群の表皮浸透性、つまり表皮を通り越して浸透していく性質を持つ成分なのです。
セラミドとは?まとめ
- 肌の表皮細胞のすき間を埋める脂質成分
- 肌のなめらかさ、保湿に関係する
- アミノ酸のセリンから細胞内で合成される
- セラミドという名称は、特定の化学構造を持つ分子の名称のこと
- セラミドの分子構造
- 脂成分なのに肌表面に塗ってもべとつかず、有効成分が肌にしみ込んでいく
- もともと肌の細胞間に含まれている成分なので、肌に塗ってもトラブルを起こさない
- アトピー性皮膚炎の荒れた肌はセラミドが欠乏している
- 眠る前に使用する美容液として至宝のもの
セラミドで内側からのアプローチ
セラミド補給で身体の中から肌をみずみずしく
素肌を美しくさせる栄養成分を体内に補うことが、皮膚表面の美しさへとつながります。肌の潤いがなくなるのは、加齢や食生活によるセラミドや皮脂膜の減少のためです。セラミドを体の中に取り入れると、肌の自然な潤いが保てます。
サプリメントなどを補給することで、健康的で若々しく美しい肌へ蘇っていくことが手っとり早く実感できるのですが、身近な食品の中から探すと、米ぬかの中にセラミドは含まれています。米ぬかを直接食べたことはないという人が多いと思いますが、米ぬかを食べると肌が美しくなるばかりでなく、便秘解消やダイエット効果も期待できます。
美肌成分たっぷりで、健康効果も高い米ぬかを、牛乳やヨーグルトにまぜたり、お料理に加えたりしてはいかがでしょうか?ただし、米ぬかを食べるにあたって次のことに注意してください。
- できるだけ無農薬有機玄米からとった米ぬかを選ぶ。
- 新鮮なものを使う。
- 入手した米ぬかはすぐにフライパンで「炒りぬか」にして、冷蔵庫で保管し、1週間以内に食べきる。
セラミド以外で皮膚細胞と皮下組織の細胞を活性化する成分
- 亜鉛:微量ミネラルの一種で、皮膚の細胞や皮下組織を体内で合成するときの必須成分。肌荒れ改善に効果がある。
- 葉酸:フレッシュな皮膚細胞を維持する。生理を迎える時期の女性に不足しやすく、日ごろの食生活では補いにくい成分。
- ヒアルコラーゲン:皮下組織は細胞(線維芽細胞と脂肪細胞)のほか、タンパク質のコラーゲンなどの繊維質、そしてそのすき間をみたすゲル状のヒアルロン酸などからできていて、この2つは肌のうるおいを保ち、ハリをつくる。
- ビタミンC:メラニン色素の合成阻害、紫外線障害防止、コラーゲン合成補助などの作用がある。
- ビタミンB12:細胞の分裂能力を高めるために新しい細胞が皮膚の表面に現れるのを促す。
- プエラリア・ミリフィカ:タイ国で採取されるイモの成分で、適量を採取するとしっとり滑らかな肌になる効果が抜群。
セラミドで外側からのアプローチ
外側からの肌のケアは「表皮浸透性」がキー
紫外線やエアコンによる肌の不調、睡眠時の露出された顔の皮膚に関しては、外側からのケアも大切です。ただしどんなに肌に有効な成分が含まれているとうたわれている化粧品であっても、皮膚の置くまで浸透していかなくてはその効果は得られませんし、化粧品に含まれる成分が1日中肌につけていると、かえって肌に悪影響を及ぼす可能性が高いのです。
セラミドは抜群の表皮浸透性を持つので、外側から塗っても肌の置くまで成分が行き渡り、またもともと肌の細胞間に含まれている成分なので、肌へのトラブルはなく、あらゆる肌のタイプにも効果を発揮します。
たとえば、肌をさわるとベタベタしているのに乾燥しているという人は、肌の表面の脂(皮脂)は多くてもセラミドが不足していることが原因の1つと考えられます。
セラミドはオイリースキンタイプの人でも肌をベタつかせることなく、必要な脂分だけを補うことができ、さらにアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患のある人にとっても、症状緩和の効果が期待できるともいわれています。